表面注入技術 | コラーゲン、ヒアルロン酸、ボトックス注入療法なら東京千代田区の神田美容外科形成外科医院

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表面注入技術

日時:2023年11月5日(日曜日) 時間:13:00~16:30
講師:征矢野進一 医学博士(Shinichi Soyano M.D.)
マーベラスビューティジャパン共催

よく使用する注入・埋込物質の種類と特徴/コラーゲン

コラーゲン分子

美容医療で使用されるコラーゲン注入材料は、体内に注入する際のアレルギー反応を抑えるために、「テロペプチドの除去」が施されています。

コラーゲン分子

コラーゲンの特徴

コラーゲンは皮膚のボリュームアップや皺改善に使用される物質です。「ウシ」「ヒト」「ブタ」由来があります。
長所:自然な仕上がり、広い応用範囲、簡単な修正
短所:持続期間が短い、アレルギーテストが必要(ヒト由来は不要)、遅延陽性反応(ヒトコラーゲンには見られないが、一時的に発赤がおこる場合もみられる。)

コラーゲン注入材料(使用中)

アテロコラーゲン
  • 1%、2%、3%、(6.5%)(日本・高研社製)
  • Zyderm1、Zyderm2、Zyplast(2009年より製造中止)
ヒトコラーゲン
  • Cosmoderm1、Cosmoderm2、Cosmoplast(2009年より製造中止)
  • Humallagen (米国)
ブタコラーゲン
  • Evolence (classic), Evolence Breeze(2009本年より製造中止)
  • TheraFill(韓国製)中

よく使用する注入・埋込物質の種類と特徴/ヒアルロン酸

ヒアルロン酸分子

ヒアルロン酸分子

ヒアルロン酸は、『N-アセチルグルコサミン』と『グルクロン酸』という2種類の糖が交互に繰り返し結合した、直鎖状の長い高分子(ポリマー)です。
無架橋ヒアルロン酸は、体内で数日以内に分解されます。

ヒアルロン酸の特徴

ヒアルロン酸は皮膚内での水分保持力が高く、皺の改善や顔面の輪郭形成に使われます。主に架橋ヒアルロン酸が用いられます。
長所:アレルギーテスト不要、強い補正力、やや長い効果持続期間、修正可能(分解酵素使用)
短所:注入部位の色素沈着、注入部位の凹凸、注入時の痛み(真皮注入の場合)

ヒアルロン酸注入材料(使用中)

  • Restylane touch, レスチレン リド, リスチレン リフト リド
  • Belotero soft, Belotero balance
  • ジュビダーム ビスタ ウルトラ, ボリューマXC、ボリフトXC、ボルベラXC, ボラックスXC, ボライトXC, Surgiderm
  • Teosyal first lines、global action、deep lines
  • JBP Nano link Fille、JBP Nano link Fille fine
  • Idune, mesolis, iyal-system (非架橋)
  • 他 多数

よく使用する注入・埋込物質の種類と特徴/ボツリヌストキシン(Botox)

ボツリヌストキシンの特徴

ボツリヌストキシンは表情筋の動きを抑制し、表情皺の改善に用いられます。
長所:表情皺に有効(眉間、目尻、額など)、注入手技が簡単
短所:効果が一時的(3~6ヶ月)、注入時の痛み、過剰投与による筋肉の脱力

ボツリヌストキシン注入材料(使用中)

  • Botox Vista
  • Xeomin
  • Dysport
  • Neuronox

ボツリヌストキシンの表面注入

脇汗や掌汗症の場合、汗腺と交感神経末端へのアセチルコリンの分泌阻害が治療目的なので、できるだけ真皮に注入することが効果を発揮できる。

  • 施術前
  • 施術後

異物を含まない注入材料 ( 使用中 )

  • Botox、Botox vista、Neuronox、Dysport、 Xeomin
  • PRP、PPP (本人血漿)
  • Sculptra (ポリ乳酸)
  • Radiesse (Hydroxyapatite/ リン酸カルシウム)
  • 脂肪 (本人より注射針で採取)

麻酔および使用針について

麻酔(ペンレス、ペインブロック)

  • ペンレス(貼付型局所麻酔剤):貼付して30分~2時間で作用。下眼瞼、口唇などの疼痛の大きい部位に使用。短時間で効果が発現
  • ペインブロック(クリーム状麻酔):クリーム状の麻酔は30分程度そのままにして塗布しておくと、麻酔効果が現れます。

針(33G/34G針)

  • 30G(外径0.3mm)、33G(0.26mm)、34G(0.2mm)の細い針を使用

神経ブロック

神経ブロックとは、特定の神経周囲または神経経路に局所麻酔薬を注射することにより、その神経が支配する領域の痛みや不快感を軽減または完全に遮断する麻酔手技です。

神経ブロック1

神経ブロック1

Cは眼窩上神経ブロック眉毛の中央部位)、Dは滑車上神経ブロック(眉毛内側部)。眉間、額の疼痛軽減
※キシロカイン0.5%Eを各部位0.1~0.5ml程度

神経ブロック2

神経ブロック2

Aは眼窩下神経ブロックの注射部位。下眼瞼、上口唇、鼻唇溝、頬の内側、Bはオトガイ神経ブロックの注射部位。口角、下口唇
※キシロカイン0.5%Eを各部位0.1~0.5ml程度/目尻と頬外側は外用クリームで対処

コラーゲン製剤

ウシ由来コラーゲン

  • 最も初期に開発されたタイプ、長年使用されてきました。日本の高研社のものがある。
  • アレルギーテスト(皮内テスト)が必須
  • Zyderm1、Zyderm2、Zyplast(アラガン社):2009年に製造中止
  • 日本製の高研社製アテロコラーゲン(濃度1%、2%、3%、6.5%):現在も製造・販売継続中

ヒト由来コラーゲン

  • 人間由来であるためアレルギーテストが不要。米国製のものがある。
  • Cosmoderm1、Cosmoderm2、Cosmoplast(米国アラガン社):日本国内では販売中止のため、個人輸入が必要。
  • Cosmetic Medicine Enterprise社(米国):濃度3.5%のタイプがある。

ブタ由来コラーゲン

  • ブタ由来コラーゲンは韓国製がある。皮内テスト必須。
  • Evolence Classic、Evolence Breeze(ジョンソン&ジョンソン社):製造中止
  • TheraFill(韓国製):濃度3%、6%があり、2011年以降販売。皮内テスト必須

Belotelo(ベロテロ)

ドイツのメルツ社が開発したヒアルロン酸製剤で、シワの改善、皮膚のボリューム補充、輪郭形成などに使用されます。
Beloteroの特徴は、皮膚への馴染みの良さ、注入後の自然な仕上がり、架橋度合いによる用途の広さにあります。

各製品の特徴

Belotero

すべての製品に局所麻酔薬リドカイン(0.3%)が含まれています。
使用する針は27G~30Gの細針、または27Gのカニューレが適用されます。

Beloteroの適応となる部位や用法

Belotero

  • Belotero Soft:細かな皺の治療に用いる
  • Belotero Balancet:眉間、鼻唇溝、口角、口唇、などの治療に適する
  • Belotero Intenset:深い皺(眉間、鼻唇溝、口角)や口唇のボリュームを増加させるのに適する
  • Belotero Volumet:顔面の陥凹や増大(頬や顎)に対して効果的

Belotero IntenseとBelotero Volumeの比較

  • Belotero Intenseを30G針で真皮深層
  • Belotero Volumeを27G針で皮下に注入

左側はBelotero Intenseを30ゲージ鋭針で真皮深層に注入。右側はBelotero Volumeを27ゲージ針で注入
13日後の状態は Belotero Intense がはっきり凸で硬さあり、Belotero Volumeは一部凸にみえるが、その近傍に拡散している。硬さはほぼ同等。

ヒアルロン酸の架橋について

  • 非架橋ヒアルロン酸製剤
  • 架橋ヒアルロン酸製剤
  • 非架橋ヒアルロン酸製剤
  • 架橋ヒアルロン酸製剤
  • 非架橋ヒアルロン酸:体内のヒアルロニダーゼによりすぐに分解されます。
  • 架橋ヒアルロン酸(Belotero含む):分解が遅く、製剤ごとの架橋の強さで持続期間や硬さ、用途をコントロールできます。
  • 生体内のヒアルロン酸は非架橋でhyaluronidase & exoglycosidaseなどの酵素により数日で分解と生成を繰り返す。
  • 架橋程度によりヒアルロン酸製剤の特徴が異なります。

ヒアルロン酸製剤の光学的拡散の違い

ヒアルロン酸製剤の光学的拡散の違い

多種類の濃度を持つヒアルロン酸製剤(Belotero)と他の種類のヒアルロン酸製剤の光学的拡散の違い
HAフィラー注入7日後と114日後のアルシアンブルー染色

Beloteroの臨床例

  • 施術前
  • 施術直後
  • 2カ月後
  • 2年後
  • 施術前
  • 施術直後
  • 2カ月後
  • 2年後

膨らみは直後のみですぐになじんで、2年近く効果があった

Restylaneの臨床例

  • 施術前
  • 施術直後
  • 2カ月後
  • 3年後
  • 施術前
  • 施術直後
  • 2カ月後
  • 3年後

直後の状態は良好であったが、数日後から腫れてきて、膨らみは口を閉じて頬を膨らませると、凸の状態が数カ月続いた。しかし、効果は長期間継続した。

Belotero softの眼瞼周囲の治療例

  • 施術前
  • 7日後
  • 施術前
  • 施術直後

左側の下眼瞼のみに注入した。7日後の状態

首の皺(ヒアルロン酸・Belotero soft)

  • 治療前
  • 治療後1カ月
  • 治療後7カ月
  • 治療前
  • 治療後1カ月
  • 治療後7カ月

頚の左側の皺にヒアルロン酸・Belotero softを4回注入し、更にその後右側にも3回程度注入を追加した。
注入直後ミミズ腫れが数日あったが、その後皺は目立たなくなった。

針について

針の向き

針の向き

切り口は下向きの方が浅く注入しやすい。真皮下層に注入する場合はどちらでもよい。

針の刺入角度

針の刺入角度

皮膚に対する角度は10度から30度程度

針の代表的製品(33G/34G針)

33G/34G針

日本生物製剤製のJBP nanoneedle、外径 30G ( 0.3mm) , 33G ( 0.26mm), 34G ( 0.2mm)

針先の太さ比較

針先の太さ比較

18G(外径1.2mm)~34G(外径0.2mm 内径0.1mm)、注入剤に添付されるのは27Gもしくは30G

針先の太さ比較

対象治療部位

対象治療部位

  • 額・眉間・鼻唇溝・口角・頬・下顎: Belotero Balance
  • 目尻・鼻根・口唇・耳前部: Belotero Balance
  • 下眼瞼・上眼瞼・下瞼陥凹部・頸部:Belotero Soft

ヒアルロン酸分解酵素

ヒアルロン酸分解酵素

  • ヒアルロン酸の過剰注入時の修正に「Amphadase(ヒアルロン酸分解酵素)」を用います。
  • 注入された部位に同量の薬液を注入します。
  • 事前にアレルギー反応の皮内テストを実施することが推奨

ヒアルロン酸分解酵素の効果

コラーゲン注入から1年後、ヒアルロン酸製剤(ジュビダーム)注入前の状態を示した例です。

  • 1週間後
  • 3週間後
  • Juvederm 24HVとHyalite(HA)の注入後1週間後に分解酵素を1カ所あたり0.05ml注入した。
  • 分解酵素(Amphatase)を皮内、皮下、皮下+ステロイド外用、注射用ステロイド混注、コントロールで3週間後。

注入の深さと量(コラーゲン)

コラーゲン: 浅い真皮層~中層に注入(表層的なシワ改善)

注入の深さと量(コラーゲン)

注入の深さと量(軟らかいヒアルロン酸)

軟らかいヒアルロン酸(Belotero Softなど): 真皮浅層(細かい小ジワ、目元)

注入の深さと量(コラーゲン)

注入の深さ(ボツリヌストキシン・ 硬めのヒアルロン酸製剤)

硬めのヒアルロン酸・ボツリヌストキシン:真皮深層~皮下層(深いシワやボリューム形成)

注入の深さと量(コラーゲン)

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