外径の細い針の使用経験（30、33、34ゲージ）[2]
測定に用いた注入材と各種針
注入材
- コラーゲン（ウシ由来・ヒト由来）
- ヒアルロン酸製剤（Juvederm, Restylane, Esthelis など多数）
- ボツリヌストキシン（Botox, Dysport, Neuronoxなど）
針の種類
使用した注射針は日本生物製剤（JBP）製ナノニードル（30G, 33G, 34G）
針の太さと傷跡の違い
針の太さ
- 18G（外径1.2mm）～34G（外径0.2mm、内径0.1mm）
- 標準的には27Gか30Gが付属
針サイズによる傷跡の比較
対象治療部位
部位ごとに皮膚の厚みを考慮して注入針を選定
- 額・眉間・鼻唇溝・口角・頬・下顎
- 目尻・鼻根・口唇・耳前部
- 下眼瞼・上眼瞼・下瞼陥凹部
- 頸部
治療手技と結果
ウシコラーゲン製剤（高研社）
下眼瞼の皺にアテロコラーゲン（1～6.5％）を使用
Hyaluronic acid（ヒアルロン酸）
下瞼の皺（ヒアルロン酸 ・ Esthelis Soft）／下瞼左側のみを使用
ボツリヌストキシン（ボトックス）
左目尻にボツリヌストキシンを３４Ｇを用いて注入
注入治療結果
- 顔面の皺をコラーゲン、ヒアルロン酸、ボツリヌストキシンなどを用いて治療した結果
- 治療結果は１週から１カ月程度を提示
- 効果持続期間は治療部位や使用注入剤により様々だが、数カ月から１年半程度が多い
下眼瞼のシワへのコラーゲン注入例（コラーゲン ZYDERM１とアテロコラーゲン2％）
針の刺入角度
皮膚に対する角度は10度から30度程度
注入の深さと量（コラーゲン）
真皮層に適量を注入し、治療前後で皮膚の変化を比較
注入の深さと量（ヒアルロン酸）
コラーゲン同様、真皮層への注入。部位によって深さの調整が求められる。
注入の深さ（ボトックスとポリ乳酸）
真皮深層から皮下にかけて、少量ずつの注入が推奨される。
針サイズによる治療直後の比較
30Gを用いてボトックス注入直後と4カ月後34Gを用いた直後
- 30G使用
- 34G使用
各種針の流量方法
- 同一条件による注射針内性能（流量確認）を比較
- 注射器に3mlの生理食塩水を満たし、3種類（5mm/min、8mm/min、10mm/min）の圧出速度にて必要となる力（N）を測定
測定に用いた各種針（7種）
- JBP nonaneedle 34G (0.2mm)--outer diameter
- JBP nonaneedle 33G (0.26mm)
- Dentronics 32G (0.26mm)
- JBP nonaneedle 30G (0.3mm)
- BD precision glide 30G (0.3mm)
- BD hypoint 30G (0.3mm)
- Kendall monoject 27G (0.4mm)
針先の拡大写真（×250）
針先の形状を視覚的に比較：BD製針、JBP製（30G、33G、34G）
各種針の流量試験結果
- JBP nonaneedle 30G はTerumo 27Gと同等の注入圧
- JBP nonaneedle 33Gは BDmicrolance30Gと同等の注入圧
- JBP nonaneedle 34Gは Dentronics 32Gよりも低い注入圧
細い針でも内径が広い設計（JBPナノニードル）により、従来針より注入抵抗が低い
まとめ
- 注入治療の針痕は注入針が細い程目立たない
- 従来用いていた27G、30G等の針と比較してJBPナノニードルは内径が大きいため30G、33Gの外径の針を用いることができる。
- 従来の32G針よりもJBP34G針の方が注入抵抗が少ない
